防災グッズで見守りを!(緑区・津久井地区社協)
賛助会員が支える『地域の縁づくり』(令和7年6月)
相模原市社会福祉協議会の賛助会費は、市内各地域の福祉課題をもとにした、住民や関係機関による地域づくり活動に使われています。
高齢者を狙った犯罪が急増する昨今。
日常的な地域の見守り活動が防犯にもつながるとして注目を集めています。
津久井地区社会福祉協議会(地区社協)では、平成24年度から小網支部で、防災グッズの配布をとおした見守り活動を開始。
現在では同地区の中央、三井・名手支部でも実施されています。各地域の担当者にお話を伺いました。
防災グッズの交換が見守りに
平成24年当時、小網地域では高齢化が進み、高齢者の孤独死も発生していました。
高齢になっても安心して暮らし続けられる地域を目指し、定期的に高齢者の自宅を見回る活動ができないかと検討を進めました。
検討メンバーの一人だった、津久井地区社協小網支部長の岡さんは
「いくら近所の人だからって、突然家に行ったら警戒されてしまう。
何か『きっかけ』があれば、と考えていました。
話し合うなかで、防災グッズなどを入れた『あんしん袋』を配るというアイデアが出てきたんです。
非常食の期限が切れるタイミングで訪問し、新しい物と交換することで、定期的に顔を合わせる機会を作れるということで、活動が始まりました」
(小網支部長 岡さん)
と当時を振り返りました。
非常食を取り換える小網支部岡支部長
岩城民生委員・児童委員
非常食の取り換えは半年に1回ほど。
75歳以上の一人暮らしの方や、高齢者夫婦など配布を希望した方を登録し、防災グッズだけでなく、津久井地域包括支援センターが発行する緊急連絡先を記載するカードも同封しています。
あんしん袋の中身
(緊急連絡先・水・菓子・ホイッスル・懐中電灯等)
小網地域で開始された「あんしん袋」での見守り活動は、平成26年から中央支部、令和2年から三井・名手支部でも開始されました。
同地区社協中央支部長の八木さんは
「中央地域でも同様の地域課題があり、一人暮らしの高齢者をどう見守れるか考えていました。小網支部の実績を見て、後に続いている」
(中央支部長八木さん)
と話しました。
見守り見守られる
この活動の中心を担うのは、地域の福祉活動をささえる民生委員・児童委員(以下、民生・児童委員)です。
「あんしん袋の話から始まって、生活の変化や困りごとなどを話してくれるようになった」
(小網支部・岩城民生・児童委員)
「登録者の方が入院された際も、退院のタイミングでご連絡をくださった。信頼していただけていると感じた」
(中央支部・梶原民生・児童委員)
と活動の効果を実感しているそうです。
「ここで育ったので、見守り見守られる感覚」と話すのは、三井・名手支部の上田主任児童委員。
子どもの頃は見守られ、大人になった今は高齢者を見守る立場に変化しつつも、「おたがいさま」の意識は息づいています。
三井・名手支部では、民生・児童委員だけでなく、見守りボランティアを独自に募集し、定期的に登録者の自宅を訪問しています。
見守りボランティアが加わったことで、朝のラジオ体操、日課のウォーキング中など、何気ない日常の中から、地域の異変に気付くアンテナを持つ住民が増えたように感じているそうです。
いざという時のためのご縁
現在、あんしん袋の登録者は3支部で約270名。
男性の登録が進まないのが課題だといいます。
今回お話を聞いた方々も、
「この活動以外でも、自分にあった活動に参加してみてほしい」
と口を揃えます。地域に一歩を踏み出すと、思わぬ「ご縁」がつながり、いざという時に力を発揮するかもしれません。
この他にも市内ではさまざまな地域福祉活動が行われ、賛助会費はその貴重な財源になっています。
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