上村 莊平(かみむら そうへい)さん
定年退職後、高齢者や障がい者等の就労支援に携わった経験を地域社会に役立てたいとの思いから、平成27年に相模原市が実施する成年後見制度の市民後見人養成研修に参加。現在、「市民後見人」として活動されています。
「誰のための市民後見人かを常に考え、ご本人が安心して地域の中で生活を送れるような支援を心がけています。」と上村さん。
「市民後見人の会さがみはら」の代表として、成年後見制度の普及啓発活動にも尽力されています。
市民後見人養成研修に参加しようと思ったきっかけは何ですか。
相模原市の広報紙に掲載されていた成年後見制度の市民後見人養成研修受講生募集の記事を見たことがきっかけです。
それまで、ハローワーク等で、高齢者や障がいのある方などの就労支援に携わった際に、主役である相談者の話を傾聴することや、関係者と連携を図りながら支援に当たることの大切さを実感していました。そういった経験を、市民後見人の活動を通じて、地域社会にも役立てたいとの思いから参加しました。
市民後見人の活動の内容を教えてください。
福祉サービスを利用するための契約手続やご本人の生活状況を見守る「身上保護」と、預貯金通帳の管理や各種福祉サービスの利用料等の日常生活に必要な支払をご本人に代わって行う「財産管理」の支援が主な活動です。
いずれの支援も、ご本人の意思を尊重しながら行うことが基本になるので、月に数回程度お会いした際の、いっしょに過ごす時間を大切にしています。
実際に市民後見人として活動して、どのように感じていますか。
活動を始めた当初は、約1年半の研修で得た知識や経験で、市民後見人としての役割を果たせるか不安がありました。しかし、市社協や関係者の支援を受けることもできたので、当初感じた不安は、払拭することができました。
また、ご本人の心身の少しの変化にも気づくことや、誰のための後見人であるかを常に考えて取り組むことの大切さを実感しました。そのためにも、市民後見人の活動は、ご本人との信頼関係を築くことが何よりも欠かせません。ご本人のもとに足しげく通い、入居されている施設の行事などにも参加して、コミュニケーションを取りながら、お互いの理解が深まるよう心がけています。
「市民後見人の会さがみはら」の活動内容を教えてください。
市民後見人養成研修修了者1期生が中心となり、平成29年に会を立ち上げました。市民後見人として活動を行う者同士が、互いに助け合うことを目的に活動をしています。
月1回の会合では、研修会や事例検討会、情報交換などを行い、会と個人のレベルアップを図っています。また、成年後見制度に関するリーフレットを作成し、制度の普及啓発にも努めています。
今後の抱負を教えてください。
ご本人と一緒に過ごす時間を大切にして、ご本人が地域の中で穏やかに、安心して生活を送れるよう、きめ細やかな伴走型の支援を目指していきたいです。
※成年後見制度とは
認知症や障がい等により、重要な契約などを自身で判断することが難しい方が地域の中で安心して生活できるように支援する制度です。家庭裁判所から選ばれた成年後見人等が、ご本人の意思を尊重し、心身の状態や生活状況を考慮して、身上保護(※1)や財産管理(※2)を行います。
(※1)身上保護
(※2)財産管理