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桑野 千佐子さん(2010年1月)

桑野 千佐子(くわの ちさこ)さん
昭和16年、川崎市生まれ。昭和44年相模原市に転居。現在、ボランティアグループ「相模原誘導グループ ささの会」会長、「東林地区ボランティアグループ」会長、東林地区社会福祉協議会副会長など様々な活動をされています。平成21年11月、「相模原誘導グループ ささの会」は市社協特別表彰を受賞されました。

 

障害のある方からの「ありがとう」、私からも「ありがとう」

ボランティア活動をされることになったきっかけについて教えてください。

子どもが高校を卒業するまではPTAの活動を行っていましたが、その後、民生委員・児童委員であった叔母から「東林地区ボランティアグループ」への入会を誘われたことがきっかけで、ボランティア活動を始めました。
その数年後に、同会へ視覚障害のある方から外出誘導の依頼があったのですが、当時は誘導技術を学んだ会員がいませんでした。そこで、「相模原ボランティア協会」が行っていた視覚障害のある方の誘導ボランティア講座に仲間と共に参加したことをきっかけに、誘導のボランティア活動をしてみたいと思い、「相模原誘導グループ ささの会」(以下、「ささの会」)に入会しました。

「ささの会」はどのような活動をされているのですか?

今では障害者自立支援法で移動支援(ガイドヘルパーの派遣など)が制度化されましたが、制度化される前の昭和58年に視覚障害のある方の誘導を専門的に行うボランティアグループとして「ささの会」は設立されました。私はその3年後に入会し、視覚障害のある方の日常生活や交流・スポーツ活動などで外出したいという要望に沿えるように、活動しています。
平成7年からは、市社協事業である「ハンディキャップ体験講座」に協力し、小学生や中学生へ視覚障害のある方の外出支援について、誘導の実技を中心に体験学習を行っています。

ボランティア活動を通して、うれしかったことや学ぶことは?

視覚障害のある方と接していると、とても学ぶことが多いです。誘導の方法についてご指導いただくことはもちろんですが、季節の移り変わりに吹く風の特徴や花の香りなど普段の生活では忘れがちな四季の趣きを教えていただくなど心が癒されます。
視覚障害のある方々から「ありがとう」と言われることがありますが、私も「ありがとう」という気持ちで活動をしています。

一緒に考え、楽しむ仲間に支えられています。

桑野さんは、「ささの会」の活動の他にお住まいの地域で「東林地区ボランティアグループ」の会長や東林地区社会福祉協議会の副会長としてもご活躍です。それぞれの活動の楽しみなどを教えてください。

「ささの会」の活動は視覚障害のある方お一人お一人と外出をしながら、会話を楽しんでいます。「東林地区ボランティアグループ」は高齢者を対象とした昼食会を行うなど、みんなで何かをやるという集団での楽しみがあります。また、地区社協では地域全体を見渡し、地域の問題を考え、皆さんにお知らせしていく活動などを行っています。
それぞれの活動に異なる楽しみがありますが、「ささの会」活動で学んだことは地区社協で活かし、地区社協活動で感じたことを「東林地区ボランティアグループ」に生かすなど私にとってはすべてが関連し、それぞれの経験を活動に生かすことができています。

ボランティア活動の他にもたくさんの趣味をお持ちだそうですね。お忙しい中でボランティア活動を続ける秘訣は何ですか?

パンフラワー(粘土で作る造花)やゴルフなどをやっています。それと趣味ではありませんが、夫は仕事をしているので家事全般も自分でやっています。実は寝る間も惜しいくらいなんですね(笑)
活動を続ける秘訣の第一は、切り換えだと思います。趣味やボランティア活動、家事をする時に、それぞれであまり深く考え込まず切り換えていくことが重要です。
第二に、できることをできる範囲でやるということ。無理をしても長続きはしません。
第三に、グループで活動をしているということ。例えば、自分ではできないことも他の方にやってもらうことができたり、活動で気になることがあれば仲間と相談することができるなど、仲間に支えられていると感じます。
第四に、家族の理解です。日中、家を空けることが多くなってしまうのですが、夫はそれをよく理解してくれています。
そして何よりも困っている人を見過ごせないんですね。これは生まれつきの性格でしょうか(笑)

今後の抱負をお聞かせください。

まずは視覚障害のある方への誘導活動を通じて、外出先の風景や情報をお伝えする「社会生活の目」となることですね。そして、視覚障害のある方の生活について市民理解を得、誘導活動の普及を行っていきたいです。
「ささの会」の会員数は新規加入の方や退会する方がいて、おおよそ30名ほどで活動しています。私もそろそろ会長を退きたいので、リーダーになってくれる方を募集しています!


インタビューを終えて・・・

ボランティア活動を心から楽しんでいるように感じる桑野さんですが、活動の原動力となっているのは、困っている人を見逃せないという「世話焼き」気質と、一緒に困り、解決の手助けをしてくれる仲間がいることだと思います。
市内には福祉関係の活動をするボランティアグループが150団体以上あります。「参加してみたいな・・・」と思われる方はぜひ市社協ホームページのトップ画面「ボランティア情報」などをご覧ください。お問合せはボランティアセンターまで。

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