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川崎 幸江さん(2009年7月)

川崎 幸江 (かわさき さちえ)さん
旭町在住。
発達障害のある子どもを育てる親の情報交換の場「おかんの会」の発起人。1女3男の母。お子さんが4人ともアスペルガー症候群と診断されている。大野南公民館講座準備委員としての公民館活動にも取り組まれています。

<アスペルガー症候群>
対人関係を結ぶ、他人に意志を伝えるといったコミュニケーション能力に障害があります。また強いこだわりがあって、環境の変化に対して混乱やパニックを起こしてしまうなどの特徴があります。

 

発達障害のある子を育てるということ

発達障害にかかわるきっかけは?

子育てをしていて、我が子のことをとても育てにくい子だなぁと感じていました。特に次男が、家の外では何でもないのですが、家にいる時にパニックになったり、長時間泣き止まなかったり、私への暴力もありました。次男の状態を自分自身が受け止めきれなくなり受診したところ、アスペルガーと診断されました。同時期に長女が不眠になり、受診したところアスペルガーでした。長男も、その当時受講した子育て講座で説明された内容に様子が当てはまることが多いので、受診したところアスペルガーの診断。上の3人が同じ診断を受けているので「三男はどうかな?」と受診してみたら、やっぱりアスペルガーでした(笑)。

4人の子育て、大変ではないですか?

もちろん大変です!でも周りの人には、ありのままの子どもの姿を見てもらいたいので、子育てのことはオープンにしています。もともと性格もオープンで、隠しているのが苦手なんです。半分は開き直りですけど(笑)。
入学時には、先生方や保護者会などでも子どもの様子について自分から説明し「ご迷惑をかけると思うけれどよろしくお願いします」と堂々と言うことにしています。先手必勝です(笑)。子どもたちの行動でトラブルがあった時も陰でこそこそ言われるのは嫌なので、何か耳に入ればすぐに「うちの子がご迷惑おかけしたみたいで、ごめんなさいね。」と謝ることにしています。でもこんなふうにオープンにしてしまえば、周りの人たちも発達障害児を意外と受入れてくれるものだと感じています。

親の会は子育ての支え

「おかんの会」を立ち上げるきっかけは?

次男は人見知りが激しく、私から離れられない子だったので、幼稚園入園前に何とかしたいと思い、他人に預ける機会として公民館の保育付の講座を受講しました。
次男と一緒に講座を受講しているうちに、自分も講座の企画にかかわりたいと思い準備委員になってしまいました。結果的には次男は私からは離れられず、保育を受けることはなかったのですけど(笑)。
委員として企画した公民館の公開講座を「子どもと寄り添うこと。」というテーマで行ったところ普段は2~3人の講座に、20人くらいの受講者があり、「育てにくい子を育てている親御さんってとても多いのだな」と感じました。また、自分は発達障害児を育てていることをオープンにしているので、同じようなお子さんのいる親御さんがこっそり我が家に相談に来ることもあり、そんな経験から親たちが集まって勉強会ができないかと考えていたところ、昨年市社協が「発達障害児家族情報交換会」を行ったことを知り、南ボランティアセンターに相談したことが、今年の2月に「おかんの会」を立ち上げるきっかけになりました。

「おかんの会」を始めてみていかがでしたか?

毎月1回行う会には、いつも20名前後のお母さん(中にはお父さんも)が集まります。毎回新しい参加者がいて、自己紹介だけで1時間半ほどかかってしまい、皆さん本当に誰かと話したいのだなと感じます。
発達障害の子を持つ親は子どものことを周りに伏せていることが多いことから、さらに悩みも深くなってしまいます。子育ての手がかりを得たくて、いろいろな講演会や勉強会に足を運びますが、講師の方たちが言うとおりにはなかなかできない。でもちょっとしたことでも話ができる、相談できる人がいれば、発散できるし、気持ちも楽になるものです。

「おかんの会」に参加されている方の様子はどうですか?

他の子どもさんの話を聞くことで、子育てのヒントや、困っていることの解決策を気づいたり、子どものことを抱え込まず、客観的に見られるようになるためにもこういう場は大切です。
回数を重ねて、だんだん自分の困りごとを率直に話せる雰囲気になり、参加者同士での情報交換も活発です。
「おかんの会で気持ちをリフレッシュすることができた。」「こういう場がないと自分が滅入っちゃう。」というお母さん。「仕事を休んででも参加したい。」というお父さん。こんな声を聞くととても嬉しく思います。

最後に、川崎さんの思いとして何かメッセージを。

発達障害のある子どもは他人とのコミュニケーションがうまく図れないために周囲の人たちとのトラブルも起きやすく、親にとっては精神的につらいことが多くあります。みんなが発達障害の存在を理解し、子どものことを受け止めて、地域全体で子育てする社会になればよいと願っています。そんな意味もあり、発達障害について世間に発信したいと「おかんの会」のホームページも立ち上げました。
発達障害児の育て方は障害のないお子さんの育て方にも通じる部分がかなり多くあります。いつかは「おかんの会」も「発達障害児」というくくりを取り払って、広い意味での子育ての集いができればいいなぁと思っています。


「おかんの会」は毎月第2水曜日 午前10時~正午まで 南保健福祉センター
2階情報交換ルームで行っています。次回開催日は7月8日(水)。8月はお休みで、9月以降の予定については「おかんの会ホームページ」に掲載しています。
おとうさんもおかあさんもおじいちゃんもおばあちゃんもみんな大歓迎ですのでぜひお越しください!

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